「言問ラプソディ」| 城崎温泉 泉翠で、自分と向き合う静かな時間
2026.05.24
言問ラプソディ

小野寺史宣さんの作品です。

コピーライターの夢を諦め、広告代理店も辞めた西沢智太。人生の目標を見失っていたが、大好きな祖父が働いていた浅草花やしきでアルバイトを始めることになる。歴史ある下町の、日本最古の遊園地。アトラクションスタッフとして働くなかで、パン作りが得意な理亜、劇団で俳優をしている鈴衣、小説家を目指す玉木など、アルバイトをしながら自身の夢を追う仲間たちに出会う。「おれって、本当は何がしたかったんだっけ?」自分と向き合っていくうちに智太はある答えに辿り着く。

人生って、ずっと全力疾走しなくてもいいのかもしれない。
『言問ラプソディ』はそんな”人生の寄り道”の空気がある物語だった。

舞台は浅草。
読み始めるとすぐ、あの独特な空気がじわっと浮かんでくる。
少し路地に入ると、どこか懐かしくて、人との距離が近い。

最初は、夢を諦めた主人公が、若く夢あるアルバイト仲間に刺激を受けて変わっていくようなお仕事小説かと思っていた。
でも実際は、すごく淡々としている。

がんばれ!と強く背中を押すわけでも、大きな出来事が起こるわけではない。

ほわほわした会話。
急ぎすぎない時間。
なんとなく人が集まって、なんとなく今日が終わっていく。

その空気が、ずっと流れていく感じ。

主人公も、将来への強い危機感があるタイプではなく。
「28歳でこんなふんわりしてるんだ」と少し驚く部分があった。

今って、タイパとか効率とか、そういう言葉をよく耳にする。

でもこの本の中は、それとは少し違った時間が流れていた。
こんな時間も悪くないかもしれない、素直にそう思えた。

最後まで時間の流れはゆったり。物足りなく思う人もいるかもしれない。
派手ではない。でも、読んだあと少し肩の力が抜ける温かい1冊でした。

★★★☆☆

城崎温泉 泉翠 冨田 歩

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なぜ泉翠では、13歳以上のお客様限定としているのか
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