いい子のあくび
高瀬準子さんの作品です。
芥川賞第一作。公私共にわたしは「いい子」。人よりもすこし先に気づくタイプ。わざとやっているんじゃなくて、いいことも、にこにこしちゃうのも、しちゃうから、しちゃうだけ。でも歩きスマホをしてぶつかってくる人をよけてあげ続けるのは、なぜいつもわたしだけ?「割りに合わなさ」を訴える女性を描いた表題作。ほか、社会に適応しつつも、常に違和感を抱えて生きる人たちへ送る全3話。
本人にしか分からないモヤモヤ感や、共感できる!刺さる!といった感想をちょこちょこ見かけたので気になり読んでみたのですが・・
なんかコレいったら敵を作りそうだけど・・この主人公、いい子か?ただの性悪にしか思えないし、共感もほぼ無し、嫌いだわー。イライラしただけの読書になりました。
世の中にはいろんな人がいるんだから、お互い様精神でいいやん。自分が道を譲ってぶつからずに済んだ、それでいいやん。自分だってすべてのことに気づけてるわけじゃないだろうし、誰かの善意で過ごせてる部分って絶対あるはず。
全部を自分が我慢しているなんて、傲慢すぎませんか。性悪な自分を抱えながらも自分の評価を「いい子」にしているとこも気持ち悪い。
この作品って世の中の理不尽についてを主に書いてるっぽいけど、それへの主人公の考えが嫌すぎてそっちに目がいかない。だから表題の「いい子のあくび」もピンとこないし。
これって私が「いい子」ではなくて、気づくのがどちらかといえば遅い方だからかもしれませんが。
「いい子」ってなんなんでしょうね。普段の生活の中で「この子いい子だな~」って思う瞬間はあるけど。もちろんそう感じた先であるそのいい子だってイラっとすることや、いい子じゃない面も持ち合わせているわけで。いい子の定義が分からなくなってきてしまいました。この作品を読んでいる多くの方と私の感想は逆をいくもので、少数派となってしまいましたが。感覚がズレているんですかね・・
普段抱えているモヤをうまいこと書いてくれてる!共感の1冊になるのか、不快な気分になるのか。あなたはどっち派ですか?
★☆☆☆☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩