青木祐子さんの作品です。
世の中には、お金を払っても「友達(フレンド)」をレンタルしたい人がいる。
Case1.人付き合いが苦手そうな大学4年生・香住。デザートブッフェへの同行を依頼してきた理由は・・?
Case2.ヘアメイクアーティストMISA、38歳。女優志望の若手という設定で、観劇に付き合ってほしいというが・・?
Case3.常連の翻訳家・野枝、46歳独身。検査入院するため、飼い猫の面倒を見てほしいと言われたことから本人の過去にかかわることになり・・?
Case4.いかにもお嬢様然とした女性、26歳の綾音。婚約者の元カノも参加するというパーティーに友人として同行してほしいというが・・?
レンタルフレンド以外にも、結婚式に友人や時には親までレンタルする人がいるのは知っていました。ただそれをする人はなぜ?どんな人?と思っていて。読んで納得!人それぞれのいろんな事情があるんだなと思いました。
いろんな人間模様が見れて楽しく読めました。自分の仕事にプライドをもって役目を全うするレンタルフレンドの七実も素敵だし、出てくる女性は皆、芯が強くて素敵な人ばかりでした。
友達って数がいればいい訳じゃないし、愚痴や不満でプライベートな人間関係に疲弊したことがある経験がある方も多いのではと思います。そう思うと「人間関係のいいとこ取りだけをしたい・面倒なことは全て他人に丸投げしたい」人がいて、そのニーズにこたえる仕事がある。面白いです。
サラッと読めるので短時間読書に向いてます。レンタルフレンドという言葉が気になった方、お仕事小説が読みたい方にオススメします。
★★★☆☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩