瀬尾まいこさんの作品です。
知ってる?夜明けの直前が一番暗いって。
月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えれない美紗と、やる気がないように見える山添君(実はパニック障害)の二人。互いに友情も恋も感じないけど、自分の病気は直せなくても、相手を少しは助けることは出来るかもとおせっかいを焼き合う。
この話のすごいなと思うところはラブが一切ない所。男女であろうとも、苦手な相手であろうとも、助けられることはあるって感じさせるところ。
美紗のことを何とも思ってない山添君の淡々とした感じが私的にじわじわとツボ。
山添君:「あなたが爆発するタイミングを分析したんだけどさ」
美紗:『人の生理のこと勝手に考えないでよ』
山添君:「いや、もう考えたから」
二人の関係が伝わりません?好きじゃないけど思ってる感じ。
人は人の温かさで癒される。。人は人の為にも生きてる。今、辛い思いを抱えている人、友達やパートナーが辛い気持ちを抱えてる人には特に読んでほしいです。
出口は必ずある、苦しくても厳しくても、救いだってそこらじゅうにある。
病気がテーマの本ではあるけど、会社の人たちも良き理解者で見守ってくれていて読んでいて嫌な気持ちになるシーンはありません。
読後は心が暖かくほっこりします。安心してお読みください。
★★★★☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩