門田光代さんの作品です。
アラフォーの3人の女性。
夫の若い女との浮気を知っても嫉妬もせずに見過ごす女、
子どもを通して人生やり直そうとする女、
母親の呪縛からいつまでも逃れられない女。
彼女たちは高校時代にバンドでメジャーデビューしていて、人生のピークは10代だったと懐かしむ。
あとがきで知るんだけど、なんとこの作品、作者も忘れていて14年間埋もれていたもの。。
正直、あらすじを見ても帯を見てもありがちだな~と惹かれなかったんだけど・・読んでみると面白い!
「浮き輪に乗って漂っているような人生じゃなくて、自分の腕でがしがしと泳ぎたい」
生きる手ごたえ、深い充足を求めてあがく女性たち。
自分が生きていて思うのが30代の中途半端さ。年だけは大人で中身が伴ってなかったり、成長しきれていない大人こどもな感じ。なんとなくの毎日やたまにあるざらつく想いや苦さ。そういった普段隠れている気持ちが読んでいると炙りだされていく感じ。
3人で伊都子の母親を海に連れ出すところからの疾走感、殻を破っていく様子は気持ちいい!
これは特に30代の方に読んでみてほしい一冊です。
★★★★☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩