2020.10.17
そこにはいない男たちについて
井上荒野さんの作品です。
突然愛する夫を亡くし、立ち直れない実日子と、大嫌いな夫と離婚しないまり。
どちらが不幸?なんて比べても意味がない。心も実体もないとこんなにも苦しいんだなと・・
対照的な二人だったけど、どちらも寂しかった。
嫌いだった夫と別れた、まりの「もう彼の世界に私がいない」と泣くまり・・なんか分かる・・
読み始めて分かるタイトルの素晴らしさ。
美味しそうなご飯のシーンがたくさん出てくるのと、この二人の現状の対比が余計にシリアルで良し。
まりほどパートナーに強い嫌悪はなくても、何年も一緒に居れば「二人でいるのに寂しい」とか、「相手といる時間の不自由さ」は大体の人がなんとなくわかるのでは・・?
淡々と美味しいご飯と共に進むリアルなお話。
サクサク読めます!
★★★☆☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩