27歳、訳があって無職、実家暮らし。そんな彼女に奇妙なバイトが舞い込んだ。祖母の代わりに芝居を見に行き、感想を伝える。それだけで一回五千円のおこづかい。
この不思議なバイトと、歌舞伎にオペラに演劇と見に行く先に毎回会う親切な老紳士。さてこれはどういったことでしょ~!?というのが今回のお話。
毎回ちょっとしたミステリーがあって、それを老紳士と解き明かしていくのと、観劇に興味がなかった主人公がハマっていく様子、自分に向き合っていく様子、問題を乗り越えていくのが好ましかったです。
出てくる登場人物たちがそれぞれ魅力的で優しいのもまた良い。
歌舞伎のことも優しい解説がされていたので、なんだか少し興味が湧いてきました。
ちょっぴりほろ苦い甘いラストも良きです。
『好きなことは世界を広げてくれる。好きなことのためなら、わたしも積極的になれる』
異議なし!!
ミステリーはトリックに無理なく穏やかな空気感の本なので就寝前用にもオススメです。
★★★☆☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩