三浦しをんさんの作品です。
実直なホテルマンが奔放な書家と文字に魅せられていくお話です。
都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。
この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。
真面目なホテルマンと奔放な書道家の二人が少しずつ心を通わせ関係を築いていくところ、書道教室に通っている小学生とのやりとりもあたたかくて良かった!
最初は奔放な書道家に振り回されてばかりのホテルマンだったのに、ラストに書道家が自身の過去のことで関係を断とうとされるんだけど、シャッターをぶち破りにいくところがたまりませんでした。
書家の人の仕事についての作品も初めてだったので興味深かったし、共通点のない人と人が向き合って関係を作っていくところも面白かった!
綺麗な字を書きたいと思いながら何十年・・圧倒される書がどんなものか、このホテルマンが働いている三日月ホテルはどんなところだろう・・色んなワクワクした想像を楽しみました。表紙からのイメージや書道家の話ということで固い内容かと思いきや、テンポよく読み進められる作品なので読書にマンネリモード入っていた私でもあっという間に読めてしまいました。
テンポよく読める作品や、大人になってからの友情、人の温かさを感じれる作品をお探しの方にぴったりです。
★★★★☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩