若女将の読書 | 金原ひとみ | デクリネゾン | 城崎温泉 泉翠
2022.09.24
デクリネゾン
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金原 ひとみ

金原ひとみさんの作品です。

仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた長編小説。二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家 志絵。最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが–。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。

この主人公に共感できるのは娘への気持ちくらい。それくらい自分主義で生きていて、次々に恋をして家族を解散してきた彼女にはゲンナリ。インテリぶった会話をして周りをぶったぎるけど自分がしていることは幼稚の極みだぞとも思う。恋愛至上主義は勝手にどうぞ、だけど!婚姻関係が続いている状態で次、行ってを繰り返すのは自分が愛した前の人への敬意なくない?なのに今なお協力的な元夫たちや恋人にも不思議。裏切られたんだぞ?そういった私の価値観でいえば登場人物に感覚の近い人はいなかった。だけど嫌いではない。価値観が違う人の話はへぇ~と違った世界が見れるから面白い。むしろ好きなのかもしれない。

よく集まる主人公含む女性作家3人の食事会、美味しそうなご飯とヒリヒリする会話の応酬は圧倒的!!言葉を武器にしている作家という職業だからなのか出てくる例えも単語も絶妙で新鮮。それを使ってのバトルに近いやりとりもおぉ~!とずっと覗いていたく、快感がある。

金原版の『大豆田とわ子と三人の元夫』と表現している人が多いけど、すっごい分かる!!不思議な関係性の人たちの世界観で起こる日々。

『自分が求める人が自分を求めてくれないつらさを、娘から教えられると思っていなかった。』

『あの時からずっと悲しかったけれどもう酸化して当初の鮮やかさを失っている。感情は生物で、人を好きな気持ちも執着も悲しみも寂しさも嫉妬も悔しさも、全て酸化していく。味はするけど、湿気ている。食べながら私も、もう食べたくないと心からうんざりしている』

今って多様性とか、それぞれの考えを尊重しなければならない雰囲気が強いと感じていて・・逆にそれってどうなの?!的な個人の考えをあげるのがナンセンスな感じがして私のような人間は黙るが得なのかとも思うのだけど。前から思ってるのが、好きは確かに風化する。自分の中に結婚という選択肢がある人なら、好きの次のステージがあることを前提にそこの関係性を築く努力が出来る人、努力をしたい人と一緒にいるにしないと失敗するぞと。この年齢になって家族とは、結婚とは、と考えたときに思うようになった。うざい母親かと思うけど、娘がお年頃になった時にはこれがママの思う恋愛の真理だと教えたいとも思ってる(笑)

全体に漂うアンニュイな雰囲気が独特で癖になり度数高めな作品でした。孤独や生きづらさを抱えている人の話が読みたい方、キレッキレのガールズトークを覗きたい方、満腹感を感じる読書をしたい方におすすめします!

★★★★☆

城崎温泉 泉翠 冨田 歩

https://kinosaki-sensui.com/

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