いえ | 【公式】城崎温泉 泉翠(せんすい)|城崎で大切な人と過ごす豊かな時間
2022.06.19
いえ
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小野寺 史宜

小野寺 史宜さんの作品です。

社会人三年目の三上傑には、大学生の妹、若緒がいた。仲は特に良くも悪くもなく、普通。しかし最近、傑は妹のことばかり気にかけている。傑の友だちであり若緒の恋人でもある城山大河が、ドライブデート中に事故を起こしたのだ。後遺症で、若緒は左足を引きづるようになってしまった。以来、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡って、三上家はどこかぎくしゃくしている。教員の父は大河に一定の理解を示すが、納得いかない母は突っかかり、喧嘩が絶えない。ハンデを負いながら、若緒は終活に苦戦中。家族に、友に、どう接すればいいのか。思い悩む傑は・・

傑のことをうじうじ、ネチネチと感じる人もいるでしょう。が、私はすごく共感してしまう・・日常でもある、相手が故意でないが自分は感じた嫌なことをスッと許せないこと。落としどころを探せない時や、許せない自分に嫌気をさしたり。そういった自分と向き合っていく過程がとても興味深かったです。

生きていればいろんなことがあって。家族のぎくしゃく以外にも恋人、仕事といろんな人間関係に悩んで。そういったところも人間の感情として共感できました。

『人間、ものの感じ方は変えられない。これはちょっといやだな、と感じてしまうのはしかたない。でも感じたあとの行動を変えることはできる。こうは動くまいと努めることはできる。その意味でのみ、人は変われる。ただし、とても難しい。それは、生きているあいだずっと自分を律しつづけるということだから』

最後はしっかりと爽快な気持ちにさせてくれましたので、安心してください。

悩み迷っている方、気持ちの割り切りが難しい方は特に共感の多い読書になるかと思います。淡々としていて、それでいて心が温まるお話です。

★★★☆☆

城崎温泉 泉翠 冨田 歩

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