篠田節子さんの作品です。
車にまつわる3つのお話です。ひとたびアクセルを踏めば日常は冒険に変わる。
『田舎のポルシェ』・・実家のコメを引き取るため大型台風が迫る中、初対面の強面のヤンキーの運転する車で東京を目指す。波乱だらけの強行軍。
『ボルボ』・・不本意な形で大企業勤務の肩書を失った男性が意気投合、廃車寸前の車で北海道旅行をすることになったが。。
『ロケバスアリア』・・「憧れの歌手が歌った場所に立ちたい」女性の願いを叶えるため、コロナで一変した日本をロケバスが走る。
どれも楽しい作品でしたが、特に好きなのは『ロケバスアリア』
古希を迎えるおかんの一世一代の夢。おかんの快活で誠実な人柄、その孫と録音係の3人がチームになって夢の実現にひたむきになる姿、胸が熱くなりました。
トラブルに見舞われながらも目的を果たすドライブは読んでいてとても爽快!大っぴらに出かけるということに様々な意見がある、今の世の中なので、余計に心に響いたのかもしれません。今だからこそより楽しめる1冊です。
★★★☆☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩