青山美智子さんの作品です。
お探し物は本ですか?仕事ですか?人生ですか?人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた町の小さな図書室。悩む人々の背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、希望してない本のセレクトと可愛い付録を付けてくれます。自分が本当に探していたものに気づく5つのお話。
この作品すごく好きです。
出てくる5人の人物はそれぞれ年齢も性別も業種も悩みも違う。けど、全ての物語にハッとさせられることがあって、、気に入ったフレーズも、戒められたところも、背中を押されたところも、紹介したいところ沢山あるんだけど、今回は多くは言わないでおきます。
・「たいした仕事じゃない」なんて、とんでもない間違いだった。単に私が「たいした仕事をしていない」だけなのだ。
・これからは本当に…自分で自分を、ちゃんと食わせる。
・向うからやってきたうまい話じゃなくて、夏美が動いたから、周りも動き出したんだ。
・わたしはわたしを退いたりしない。これからは、大切に集めていくのだ。私だけのアンソロジーを。
本のお陰でって感謝を司書さんに伝えた時に『どんな本もそうだけど、書物そのものに力があるというよりは、あなたがそういう読み方をしたっていう、そこに価値があるんだよ』の返しにグッときたから。この本に書かれている言葉をその人にとって受け取り方や刺さる部分は違うと思うので、先入観なしにご自身の響くポイントを見つけてみてください。
これから社会人になる人~定年を迎える人まで全ての働く人、自信がなくって背中をさすってほしい人も、前を向きたい人に、温かい気持ちになりたい人に、老若男女問わずおススメします。
再読したい1冊が増えました。
★★★★★
城崎温泉 泉翠 冨田 歩