中江有里さんの作品です。
ある結婚式場、47歳の汗っかきの大男の新郎と29歳の綺麗な新婦さんの結婚式。
不釣り合いな見ためと年齢差に、玉の輿婚だと邪推したり、好奇な目で見る列席者たち。
レンタル友達、花婿を自分より格下と思っている友人、花嫁の従兄弟、花婿の元彼女。そして花婿・・花嫁・・とそれぞれが主体となった章で物語が進んでいきます。
なんだか含みのあるタイトルに、胡散臭い結婚式と不穏なはじまり方にドキドキですが、それぞれの事情が分かっていくにつれて最後には温かくほっこりとした良い読後感。
『結婚は、最愛の人が最強の味方になってくれること』
『辛く悲しい出来事も大切な人に出会う必然だったとしたら受け入れられる』
過去はそれぞれにある、過去があるから今がある。
いろんな人の人生が詰まっていて祈りに満ちた楽しい本でした。
読みやすいので、本を普段読まない方にもおすすめです。
★★★★☆
城崎温泉 泉翠 冨田 歩